富富富(ふふふ) – 富山の新しいお米

「富富富」生育日記

富山県内各地で栽培されている「富富富」。
生育の様子や生産者向けの栽培管理情報をお伝えします。

6月22日の生育は、前回(6月15日)より草丈が6㎝程度伸びて29.5㎝、葉は1.3枚増えて葉齢は8.2葉となりました。茎数は1株当たり16.6本、葉色も前回より少し濃くなり順調に生育しています。

稲体や根を健全にするため、田んぼを干す「中干し」を実施中です。田んぼの表面に少し亀裂ができ始めました。田んぼに入ったときに、くるぶしが軽く沈む程度の硬さまで中干しを続けます。

★「富富富」生産者の皆様へ★
中干しが完了したほ場は、幼穂形成期まで落水期間が長めの間断かん水を行い、幼穂形成期のSPAD値35(群落葉色4.0程度)に誘導しましょう。
生育状況と当面の管理のポイント(6月22日)

ほ場全体の様子です。しっかり中干し中!

小さな亀裂が入っています。

6月15日の生育は、前回(6月7日)より草丈が2㎝程度伸びて23.1㎝、葉は1.7枚増えて葉齢は6.9葉となりました。茎数は1株当たり12.1本となり大きく増加しました。葉色も前回より少し濃くなっています。
今後の水管理効率を高めるため、溝掘りを行いました。これから稲の生育コントロールするため、田んぼを干す「中干し(なかぼし)」を行います。

★「富富富」生産者の皆様へ★
中干しを実施していないほ場は、早急に中干しを開始しましょう。
中干し後は、幼穂形成期まで落水期間が長めの間断かん水を行い、幼穂形成期頃までに足跡の深さ3cm 程度の土壌硬度に誘導しましょう。
生育状況と当面の管理のポイント(6月15日)

ほ場全体の様子です。分げつが増え、稲体がさらにしっかりしてきました。
写真下部、横方向に設置した溝が見えます。

設置された溝の様子です。溝堀りによって、スムーズな排水を促し、「中干し」が効果的に行えます。

 

溝堀り・中干の効果と適期について動画を作成しました!ぜひご覧ください!

 

毎週生育をお伝えしている、砺波市のほ場は、田植えから3週間がたちました。
6月7日の生育は、前回(6月1日)より草丈が5㎝程度伸びて20.9㎝、葉は1.3枚増えて葉齢は5.2葉となりました。茎数は1株当たり5.3本と少しずつですが増えてきました。葉色も前回より濃くなっています。
「苗」から「稲」へ順調に成長しています。

★「富富富」生産者の皆様へ★
SNSで寄せられた、生産者のみなさまへの応援メッセージをまとめました。
「富富富」を応援いただいている消費者のみなさまの想いを感じていただければ幸いです。
富富富への応援メッセージ

<当面の管理のポイント>
現在、平年に比べ生育は遅れていますが、茎数が急速に増加していることから、田植後4週間までに中干しを遅れずに開始しましょう。
生育状況と当面の管理のポイント(6月7日)

 

ほ場全体の様子です。

「富富富」を栽培していることを示す看板です。看板は、県内全ての「富富富」作付ほ場に設置されます。

葉色版(ようしょくばん)です。色見本を目安に、1(左の淡い緑)~7(右の濃い緑)の間で葉の色を0.1単位で表します。
複数の調査者が目で見て判断し、平均的な値をとります。ちなみに、このほ場は「4.2」でした。

年度も、県内各地の「富富富」20ほ場で様々な栽培試験を実施しています。

砺波市のほ場の6月1日の生育は、前回(5月25日)より草丈が4㎝程度大きくなり16.4㎝、葉は1枚増えて葉齢は3.9葉となりました。茎数はまだ増えていませんが、葉色が少し濃くなってきました。

★注目!「富富富」生産者の皆様へ★
「田植後4週間までに中干しを確実に開始すること」が、きれいで美味しい「富富富」づくりのポイントとなります!
「富富富」は、「コシヒカリ」等より葉色がやや濃く、茎数が増えやすいことから、浅水管理で分げつを促した後は、遅れず・確実に中干しを行いましょう。

生育状況と当面の管理のポイント(6月1日)

ほ場の様子。田植えから2週間たち、稲株がしっかりしてきました。

草丈も順調に伸びています。中干しまで浅水管理を行い、良い茎が増えるように促します。

県内各地の「富富富」20ほ場で、今年1回目の生育調査が行われました。
前回、田植えの様子をお伝えした砺波市のほ場では、草丈12㎝程度、1株あたりの茎数は4本、葉齢は2.8枚となりました。

田植えからしばらくたったこの時期は、分げつ(茎が増えること)を促すために、葉の半分程度が水から出ているくらい(水深3cm程度)の「浅水管理(あさみずかんり)」を行います。

生育調査では、調査者がほ場に入って、目印の棒を立てた調査区内の、茎の数や葉の枚数を調べます。
田んぼに入るときは、稲を倒さないように(自分も倒れないように!)注意して歩くことが重要です。

★注目!「富富富」生産者の皆様へ★
「田植後4週間までに中干しを確実に開始すること」が、美味しい「富富富」づくりのポイントとなります!
「富富富」は、「コシヒカリ」等より葉色がやや濃く、茎数が増えやすいことから、浅水管理で分げつを促した後は、遅れず・確実に中干しを行いましょう。


生育状況と当面の管理のポイント(5月25日)

 

田植え1週間後(5月24日)の様子

生育調査の様子

苗の様子

 

 

県内各地で、「富富富」の田植えが進んでいます。

今年も、美味しい「富富富」を消費者の皆さんにお届けできるよう、県内各地の20ほ場で、「富富富」の生育調査を行います。
その中の1つ、砺波市のほ場で5月18日、田植えが行われました。
これから、生育の様子を定点観測的にお知らせしてまいりますので、一緒に見守ってください!

技術的な話ですが、苗は3㎝程度の深さに植付けされました。これ以上浅く植えると、しっかり根付かずに浮いてしまったり、逆に深すぎると、分げつ(茎が増えること)が十分に確保できないので、植付深さは重要なポイントです。

この日は、今後の生育状況を確認するため、調査区の設置を行いました。
来週から、毎週生育調査を行います。結果は、当面の技術対策と合わせてお知らせする予定ですので、ぜひチェックしてください!

田植え作業の様子

田植え前(5月13日)の様子

田植え後のほ場

イネの年齢は、種籾から直接出た茎( 主稈)に生える葉の数で表し、これを葉齢(ようれい)といいます。葉齢を数えるために、今ある葉が何枚目に当たるのかマジックで印をつけています。(今は2葉なので2つの線)

いよいよ、穂が出てきました。
田んぼの約半分の稲から穂が出る時期を、出穂期(しゅっすいき)といいます。

氷見市余川のほ場です。ちょうどこの日が出穂期。緑の葉の間から、ちらちらと穂が見えています。
出穂するとこの後、花が咲きます。稲体が暑さに負けないよう、そして、しっかりと受粉できるよう、生産者の皆さんは、こまめに水回りをして、田んぼに水を張った状態を保ちます。

この日の巡回は、新任普及指導員の研修も兼ねて行われました。雨の中、熱心に「富富富」の栽培管理を学んでいました。今後、それぞれの地域での技術指導に生かしていきます。

南砺市利屋のほ場です。出穂までもう少しです。

 

★注目!「富富富」生産者の皆様へ★
・出穂後は20日間の湛水管理を徹底しましょう。
・気温が高い日が続きます。こまめな休憩・水分補給を行うなど、熱中症を予防しましょう。

県内各地(12か所)で、毎週「富富富」の生育調査を行っています。
7月7日に行った生育調査では、近年に比べて、草丈・葉色は同程度、茎の数はやや少なく、葉齢は進んでいるという結果でした。

立山町浅生のほ場です。右側、5月14日に田植えした田んぼも幼穂形成期(ようすいけいせいき)を迎えました。※左は、早植え(4月29日)の実証

 

幼穂形成期の生育は今後の管理の指標となる重要な時期であり、各地域の「富富富」ブランド化推進協議会で、現地研修会が行われています。

7月8日、JAアルプス(立山町管内)の現地研修会の様子です。JA職員により、生育の状況や今後の水管理・施肥量などを説明し、「富富富」生産者で共有しました。

 

7月9日には、県と関係機関で県東部の実証試験田の巡回を行いました。
田植え時期による生育の進みの違いや、試験肥料の効果などを確認し、ほ場担当者と今後の管理について検討しました。
どの田んぼも足跡深さが3cmほどと、田面が固くなっており、今年、重点的に指導してきた「早目・確実な中干し」を適切に行われていたと思います。

 

「富富富」栽培のしるしとなる看板です。

茎をむいて、幼穂(ようすい)の長さを調べます。

豊作を願って・・・

 

 

★「富富富」生産者の皆様へ★

・幼穂形成期以降は、稲体の活力を維持するため飽水管理(足跡に水が残る程度)を行いましょう。
・分施栽培の場合、1回目の穂肥は幼穂形成期の7日後頃に窒素成分で0.75~1.0kg/10a、2回目は1回目の7日後に窒素成分で1.5kg/10a を基本とし、生育により減肥しましょう。

7月7日生育状況と当面の管理のポイント(PDF形式:346KB)

 

6月30日生育情報

県内各地(12か所)で、毎週「富富富」の生育調査を行っています。
6月30日に行った生育調査では、近年に比べて、草丈は長く、茎の数・葉色は同程度、葉齢は進んでいるという結果でした。

立山町浅生のほ場です。茎の数が増えて株が大きくなり、梅雨の晴れ間に緑が鮮やかです。左が早植区(田植え4月29日)、右が慣行区(田植え5月15日)です。前回と同様に、左側の早植区の方が葉色が淡くなっています。

葉色診断の様子です。

早植区は稲の中の幼穂(ようすい、穂の赤ちゃん)が2mmになり、幼穂形成期(ようすいけいせいき)を迎えていました。あと20日ほどで穂が出る見込みです。

 

★「富富富」生産者の皆様へ★

・中干し後は幼穂形成期まで落水期間が長めの間断かん水、幼穂形成期以降は、飽水管理(足跡に水が残る程度の湿潤状態を維持)を行いましょう。
・7月1日~10日は草刈り運動期間です!※一斉草刈り日:7月4日~5日
 イネ科雑草の穂は、カメムシ類の好適なエサとなるので、穂が出ないように草刈りを徹底し、カメムシ類の発生量を抑えましょう。


6月30日生育状況と当面の管理のポイント(PDF形式:379KB)

 

県内各地(12か所)で、毎週「富富富」の生育調査を行っています。
6月16日に行った生育調査では、昨年の同じ時期に比べ、草丈は長く、茎の数はかなり多く、葉齢は進んでいるという結果でした。
「コシヒカリ」と比べると、草丈は3㎝程度短く、葉色は濃くなっています。

立山町浅生のほ場です。奥に立山連峰が見えます。

現在、間断かん水(水を入れる→抜いて地面を干す の繰り返し)を行っています。

左のほ場が早植区(田植え4月29日)、右のほ場が慣行区(田植え5月15日)。左側の早植区は葉色がやや淡くなってきています。右側の慣行区の葉色はまだ濃い状態です。

 

★注目!「富富富」生産者の皆様へ★
葉齢展開が早く、葉色が濃く推移していることから、幼穂形成期までは落水期間が長めの間断かん水を行い、幼穂形成期頃までに足跡の深さ3cm程度の土壌硬度に誘導しましょう。

6月16日生育状況と当面の管理のポイント(有効分げつ終期~幼穂形成期)(PDF形式:360KB)