PERSONS #2[生産者]

富山米新品種『富富富』
まもなく収穫
関係者の期待高まる!

「富山の水」、「富山の大地」、「富山の人」が育てた、富山づくしの新しいお米、それが『富富富』。平成30年秋の本格デビューに向けて、さまざまな立場の「富山の人」が、米づくりの技術と英知を結集している。今回は、『富富富』に関わる人たちの、これまでの取組みと、これからの展望を紹介する。

富山の人が強く連携し、『富富富』を支えている

『富富富』の優れた特徴を十分に発揮するには、土壌条件や生育に合わせた肥料の施用や水管理、収穫適期の見極めなど、栽培管理のポイントが数多くある。それらを守り、高品質・良食味米としてブランド化するため、県の農業研究所・広域普及指導センターを中心とした、栽培技術確立チームと、農林振興センター、JA、実証ほ担当農家が密接に連携し、実証ほの生育調査のデータを分析し、「『富富富』栽培情報」として栽培管理のポイントなどを関係者や実証ほ担当農家へ提供している。
今後は、9月中旬に収穫される「富富富」の品質調査なども行い、30年産に向けて栽培基準マニュアルを作成する予定だ。

平成29年産米、順調に生育

『富富富』収穫まであと一ヶ月を迎えた8月17日、富山県農業研修会館には、生産者を含む農業関係者約40名が集まった。その場では、今後の『富富富』ブランドを構築していくうえで守るべき品質基準の確認を行った。
栽培技術確立チームによれば、『富富富』の穂が出たのは8月3日。ねらいどおり草丈は短く、茎数は『コシヒカリ』並みに、順調に生育しているという。お米が稔る時期は9月16日頃の見込みだ。
富山市婦中町で『富富富』実証ほを担当する大塚潔さん(JAあおば)は、「今年は雨が多かったが、日照不足で発生しやすい『いもち病』も見られなかった」と評価。高岡市戸出で、これまで『コシヒカリ』や『てんこもり』、『てんたかく』など、さまざまなお米を作ってきた本田外治さん(JA高岡)は、「コシヒカリは丈がある分、雨風で倒伏しやすいが、『富富富』は実が重くなっても倒れない」と、実感を語った。

育苗状況調査(5月)

田植え状況調査(5月)

栽培技術構築のための現地研修(6月〜)

「『富富富』栽培情報」

秋には県アンテナショップやイベントで限定販売、試食会を実施

今年、実証ほで生産された『富富富』については、全量出荷され、一括管理を行うことが説明された。
10月以降には、県のアンテナショップや各種イベントで限定販売を行うとともに、試食会を実施し、多くの人に『富富富』の味を評価してもらう予定だ。高岡市戸出の吉田彰さん(岡御所営農組合)は、「これまで、ウチのコシヒカリが一番おいしい、と思ってきたが『富富富』には、ぜひそれを超えてほしい」と期待を寄せた。次回は収穫後の『富富富』を、さらに追う。

実証試験ほで『富富富』を作る生産者の皆さん。
収穫を前に笑顔がほころぶ。

8月17日に行われた「富富富」実証ほの出荷説明会の様子。